第40回

 SRC学園シナリオコンペへの感想をちょっと古風に書いてみる。

【木藤】氏
 一話完結のもので集団戦闘をやっているのが特徴。キャラの増やし方もなるべくテンポ良く登場させるよう工夫してある。ただし戦闘自体は作業であって特別面白くはない。
 話はごくごくオーソドックスで、氏の昔の作品に比べておとなしい。自作シナリオの番外編として位置付けられているように思えたので、おそらくそれをプレイしている者にとっては違う印象を与えるだろう。
 無難に作られているが、真太郎の扱いはややおざなりで弱い。特に後半に何かしらのフォローがないことが由美への印象を悪くしてしまっている。


【浦瀬ヒガタ】氏
 画像の演出が工夫してある。特にカレンダーはよく用意したなと感心した。こういう配慮をする人はあまりいないので、忘れないで欲しい。
 戦闘は一戦目は面白いが、二戦目は時間の浪費。精神コマンドで何とかするしかない戦闘はあまり感心できない。
 話は書きたいことがまとまっているので、書き方は拙いけれど楽しめた。文章の使い方にはところどころノベルゲームの影響が見られる。

【マガツ】氏
 味方側と敵側をそれぞれ提示しようという意図はプロローグから感じられたが、それがエピローグでは味方側の描写だけになっていて失敗している。かといってプロローグもとってつけられたような印象。
 戦闘は消耗戦で難しくもなく、作業。
 時間がないままに書いたことが読めてしまう。完成度は全体的に低い。

【マイヤー】氏
 心理学を題材にしているが、展開はどこかで見たようなありきたりなものに過ぎないため新鮮さがない。話の先が読めてしまうものの体裁は整えられているところに、作者の努力は感じられる。
 台詞回しについては説明的過ぎる。もっと簡潔に言える工夫が必要。

【プラチナ木魚】氏
 二転三転するように話を作っているので、これもありふれた話なのだが上手に構成している。キャラも敵についてはギャグが暴走していて辟易する部分もあるが良く書けている。
 マップによる演出や一癖つけた戦闘には小慣れた印象を受け、一話で話をまとめる方法を良く心得ているように感じられた。


 シナリオとして良く出来ているのはプラチナ木魚氏、面白いのは浦瀬ヒガタ氏か。とはいえ五作とも傾向が違うので、各々の差を考えながらプレイすると、より色々なものをここから吸収できる。企画としては成功しているのではないか。
 一点だけバグになるが、マガツ氏のシナリオをクリアした際にセーブファイルにバグが生じる。点検を怠らないで欲しい。


 ああ、あとTextの「織天セラフさん」は直した方がいいと思うよ。誤字だけど。心当たりのある人は。