第17回

死ぬことのない銃撃戦

 死ぬことのない銃撃戦に僕は参加する。
 手に見えない拳銃を握って。
 この争いが奪うのは領土ではない。
 心の尊厳のためであり、
 明日の顔が笑っているためであった。
 くたばれ、くたばれ、くたばれ!
 僕らはみな、口から精製した弾丸を装填している。
 薬莢が棄てられていく。
 もう僕の周りも随分と瓦礫の山となった。
 くたばれ、くたばれ、くたばれ!
 悪態をついた端から考えるのだ。
 この拳銃は、自殺以外には使えないことについて。
 それでも撃つのだ。
 人を片目にして、片足にして、芋虫にして、
 我が身がそうなることも忘れて吐き出すのだ。
 肉体が役に立たなくなろうと、誰も死にはしないから。
 ああ、いつ爆弾は落ちるのだろう。
 それだけが僕の楽しみだ。