第21回

 僕たちはいつも欲望を叶えたくて生きることをはじめて、
 死にたどりつく。
 幾万の生と死を乗りこえることが人間である。
 僕たちは何故なのか、この形を選んだ。



 どうしてだろうか。
 鳥になることもできたはずだ。
 花になることもできたはずだ。
 この宇宙にいなくてもよかったのだ。



 それなのに僕たちはここにいる。
 二本足の犬ころになって。
 それでも根性は、地べたのままで、
 鎖を求めている。



 お互いがお互いを、引き寄せては離し、
 終わりの時を待っている。
 忘れてしまった最初の理由が、
 僕たちに消えることを許さない限りは。