第19回

 昔の作品を見ていた。
 誰にも見せたことのない、山のように積みあがった残骸たちのことだ。
 大して変わってなかった。自分が新しいと思ったことさえ、通過地点だった。
 あと10年経っても、そんなものなのだと思った。
 ただ永遠に墓を作っては、掘り返し、また埋めるだけ。
 空がいつもそこにあるように不変だ。
 記憶は、忘れた頃に落ちてくる。