あそこまで小技ができんか

何も知らないということを知っているとソクラテスは言ったけど、ならば何故ソクラテスは知らないことを喋れたのだろう。金もなく、地位もない彼は知のために生きた。その自分の人生の全てが無駄なのだと彼が悟ったのならば。
それは老いと共に人の性格が鷹揚に変質するということなのか、それとも彼は神託などなかったペテン師だったのか。後者ならば、彼はおそらく神と戦った最も古い者の一人だ。
私達は自分の理解できないものを神と呼び、その理解できない巨大なものをそのままにしておく。彼はそれに戦いを挑み、同じ勇気を持たない者の手によって敗れた。同時に彼は、自分を神にしようという野心に失敗した。
人間でいることは何て難しいのだろう。私達は大人になるに従って神となり、そしてペテン師となるのだ。恋の度に、友情の度に、年の度に。
大人になるのはどういうことだろうか。悪になることだ。この世には邪神しかいない。彼らは邪な心で子供を食べる。そうされないためには自らも悪となるしかない。そして自らも子供を食べる。終わりなんてない。
それは絶望だ。それともそれは、そういうものだと割り切らねばいけないただの前提条件だろうか。ならば正義はどこにいるのか。死んだら何処にゆき、そこに天国はあるのだろうか。そこは確かに光が存在するのか。けれど、そんなものはあるはずがないのだ。



ロッテマリーンズ日本一オメデトウございます。ああオメデトウございます。ははは。