できた

吸血鬼



強くなるということは冷たい血が流れるということ。呼吸は必要ない。
犬は一晩で野山をかけ、蚯蚓は土を食べながら地中を進んでゆく。



望めば空が飛べるということは歩かないということではない。
さも全能のごとく振舞うけれど、その判断のほとんどはまちがいだ。



僕は凍った目をしている。こときれるその日、時は止まる。
物となって大地に横たわり、そして遺灰は海へと捨てて欲しい。



傷つける人間は同時に傷つけられている。
傷つけられない人間は地べたを這い、そのために傷がつくこともまたない。



僕なんて見せかけだ。翼が空を飛ぶことはない。
妄想の果てに、この手は君の首を握り、そのまま力をこめるのだろうか。



白木の杭に穿たれて、等しい塵へと変わるとき、
僕は空気となってこの空を飛び、そして僕の魂は海へと帰る。







……余計にひどくなった気がするな。もっと頑張ろう。