『信心について』
愛を信じたとする。
この世には愛せる人がいて、愛せない人がいる。
愛を信じる人間は、愛せないものを抹殺する。
処刑の方法は千差万別。どう殺すのかは信者次第。
彼らは死神を呼ぶことを好む。
透明な、匿名の、それでいて彼らの兄弟であるもの。
自分が今、一つの可能性を棄てようとしている。
死神は自分と同じ穴倉からやってくる。
目の前にある幻像が、線の向こうに追いやられる。
今が壊れた時、自分は死ぬ。死神に道連れにされて。
自分には泣き喚くだけの価値がない。
比べられ、消えていく、砂の城。